不動産売却専門家の草留です。
令和6年中に不動産を売却された方、確定申告お疲れ様でした!
今回は不動産売却の税金【短期・長期】の違いについて。
不動産を売却した際に発生する所得には、「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」があります。どちらに該当するかによって税率が異なり、売却後の手取り額に大きく影響を及ぼします。それぞれの違いや計算方法、注意点について解説します。
短期譲渡所得と長期譲渡所得の違い

不動産売却における譲渡所得は、所有期間によって「短期」と「長期」に分かれます。
- 短期譲渡所得:売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下の場合
- 長期譲渡所得:売却した年の1月1日時点で所有期間が5年超の場合
つまり、売却のタイミングによっては税負担が大きく異なるため、売却前にしっかり確認することが重要です。
相続で取得した不動産の場合

相続により取得した不動産を売却する場合、所有期間の計算方法が異なります。被相続人(亡くなった方)が不動産を取得した日を基準に所有期間がカウントされるため、 基本的に相続した不動産の売却では短期譲渡所得の税率が適用されることはありません。
そのため、相続後にすぐ売却しても長期譲渡所得の税率(20.315%)が適用されます。
税率の違い
短期譲渡所得と長期譲渡所得では、適用される税率が異なります。さらに、所得税には**復興特別所得税(2.1%)**が加算されます。
所有期間 | 所得税 | 復興特別所得税 | 住民税 | 合計税率 |
---|---|---|---|---|
短期(5年以下) | 30% | 0.63% | 9% | 39.63% |
長期(5年超) | 15% | 0.315% | 5% | 20.315% |
短期譲渡所得の場合は税率が高くなるため、できるだけ5年以上保有してから売却する方が節税につながります。
譲渡所得の計算方法

譲渡所得は、次の計算式で求められます。
譲渡所得 = 譲渡価額 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除
- 譲渡価額:売却価格
- 取得費:購入時の価格(建物部分は減価償却後の金額)
- 譲渡費用:仲介手数料や測量費、解体費用など
- 特別控除:条件を満たせば3,000万円の控除が適用される(居住用財産の特例)
例えば、購入価格3,000万円の不動産を5,500万円で売却し、仲介手数料などの諸費用が200万円かかった場合の譲渡所得は次のようになります。
譲渡所得 = 5,500万円 -(3,000万円 + 200万円)= 2,300万円
ここに税率を掛けることで、納税額が算出できます。
節税対策と注意点

- 5年以上保有する
- 売却のタイミングによっては税負担が約2倍変わるため、所有期間を意識しましょう。
- 特別控除の活用
- マイホームを売却する場合、「3,000万円特別控除」が適用される可能性があります。
- 必要経費を把握する
- 取得費を正しく計算することで、課税所得を抑えることができます。
まとめ
不動産売却における短期譲渡所得と長期譲渡所得の違いを理解することは、節税の第一歩です。特に、売却のタイミングを意識することで大きく節税できる可能性があります。売却したらこんなに税負担となるなんて知らなかった!とならないように、事前に税負担をシミュレーションし売却の手順を詳しくご説明致します。
不動産売却に関するご相談は、わたくし草留にお気軽にお問い合わせください!