皆さんこんにちは。
私は薩摩川内市を拠点に、不動産売却専門家として活動している草留裕也です。
さらに、相続や終活に関わるシニアライフカウンセラーとしても、皆さまの“これからの暮らし”を考えながらサポートしています。
前回は「相続不動産売却の流れとトラブル回避の実務ポイント」という方に向けて概要をご紹介しました。
今回は今回は、相続不動産の売却を検討している方に向けて、知っておきたい税金と控除のポイント、そして専門家に相談する重要性についてわかりやすく解説します。
相続不動産を売却するときに関係する税金

相続で取得した不動産を売却する際、主に次の税金が関係します。
- 譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税)
売却で利益が出た場合に課税されます。 - 印紙税
売買契約書に貼る収入印紙の税金です。 - 登録免許税
名義変更や相続登記の際に必要な税金です。
この中でも特に注意が必要なのが「譲渡所得税」です。
どのくらい税金がかかるかは、利益の金額や所有期間によって変わります。
譲渡所得税の基本計算と税率

譲渡所得の基本的な計算式は次の通りです。
譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)
- 取得費:被相続人が不動産を取得した際の価格
※取得費が不明な場合
税務上は、売却価格の5%を取得費として計算することが認められています。 - 譲渡費用:仲介手数料、測量費、登記費用、解体費など
この「譲渡所得」に対して、以下の税率がかかります。
- 長期譲渡所得(所有期間5年超)
→ 所得税15.315%+住民税5% = 合計20.315% - 短期譲渡所得(所有期間5年以下)
→ 所得税30.63%+住民税9% = 合計39.63%
※いずれも、復興特別所得税(0.315%)を含む正確な税率です。
相続の場合は、被相続人の所有期間も引き継ぐため、
多くのケースで「長期譲渡」となり、税率が低くなります。
相続不動産で使える主な特例・控除制度

相続不動産を売却する際に活用できる代表的な節税制度は、次の3つです。
1. 取得費加算の特例
相続税を支払った場合、その一部を取得費(経費)として加算できる制度です。
取得費が増えると利益が減るため、結果的に譲渡所得税の負担を軽くできます。
2. 被相続人居住用財産の3,000万円特別控除(いわゆる「空き家特例」)
被相続人(亡くなった方)が住んでいた家を相続し、一定の条件を満たして売却した場合、
最大3,000万円までの譲渡所得が非課税になります。
ただし、適用には条件があり、
- 相続からの経過期間
- 空き家の耐震基準
- 売却前の解体有無
など、細かな要件を満たしている必要があります。
※特例を使えるかどうかを事前に税理士などの専門家への相談が必須です。
3. 長期譲渡所得の軽減税率
所有期間が5年を超える場合に適用され、税率が約20.315%に抑えられます。
相続の場合は、被相続人の所有期間も通算されるため、
多くの相続物件がこの軽減税率の対象になります。
特例を使うには「確定申告」と「条件確認」が必要

これらの特例・控除を利用するためには、確定申告が必要です。
申告期間は毎年2月中旬〜3月中旬で、次のような書類を準備しておくとスムーズです。
- 売買契約書
- 登記事項証明書
- 仲介手数料・登記費用などの領収書
- 相続税申告書控え(取得費加算の特例を使う場合)
特例の適用は条件が複雑で、自己判断では間違える可能性があります。
「自分が対象になるのか」「どの控除を使えるのか」は、税理士への相談が必須です。
税理士への相談が成功のカギ

相続不動産の売却には、不動産の知識だけでなく、税務・登記の知識も必要です。
そのため、税金や控除の最終判断は税理士に相談することが非常に重要です。
私たち不動産業者は税務申告の代理はできませんが、
信頼できる税理士や司法書士などの専門家へお繋ぎすることが可能です。
売却のタイミングや節税の可能性など、実務的な部分も含めて一緒に考え、
安心して売却を進められるようサポートします。
早めの相談が“節税と安心”への第一歩です!

相続不動産の売却にかかる税金は複雑ですが、
特例や控除を正しく使えば、税金を大きく減らすことも可能です。
ただし、制度には期限や細かい条件があるため、
「売るときになって慌てる」よりも、早めの専門家相談が大切です。
「相続した家を売りたいけれど、税金のことが心配」という方は、
ぜひ一度、きれいハウジングへご相談ください。
専門家と連携しながら、安心・確実な相続不動産の売却を全力でサポートいたします。